フリーランスのITコーディネータとして

ITコーディネータ 西藤 憲二

■ ITC資格との出会いと充実

 私は、2001年度ITコーディネータ第一期生です。2000年5月に経験したことがない大規模なプロジェクトに召集され、そのまま転勤になりました。3つのサブシステムのプロジェクトリーダ兼SEで悪戦苦闘の日々が続き、少し落ち着くとサブPMを任命され、終電後帰宅、9時出勤の日々が続きました。これまで地銀、中堅商社、仲卸、地域生協、大学生協などのシステムのコンサルや開発をせいぜい十数名の体制で行う中で多少の苦しい経験はありましたが、このマルチベンダーで数百名の大規模プロジェクトに参加し、疲労困憊の日々が1年間続いたのは初めてことでした。このような中で、今後のキャリアパスを考えていた時に、「経営とITの橋渡し」のキャッチフレーズに出会い、共感を覚えました。まさにこれが、私が行いたい仕事と思い、早々にスケジュールを調整し、延べ2週間の研修に参加しました。

 

 取得後は、ITコーディネータ協会主催のセミナー等で諸先輩のセミナー等に参加し、自身の経験・知識不足を痛切に感じ、企業内ITコーディネータとして勤しむ事にしました。それは、マルチベンダー・ダイバシティ―の環境下でシステム構築、未経験の仕事、出来る限り多様な経験を積むことが必要と思ったからです。

 

 下記の表は、ITコーディネータ資格取得後に必要と思い自腹で取得した資格ですが、ITコーディネータの費用は、自腹でしたが取得後に祝い金をもらいました。

■独立まで

 「独立のキーポイント」という題材を頂き、同じように独立をお考えの方へのメッセージ(他山の石としてお読み頂ければ幸い)として記載致します。

 

 定年退職の2年前となる2015年3月末で退職し、現在の区役所のIT専門支援員として新しい一歩を踏み出しました。これは独立ですか。ただ辞めたという事ではないですか。

 

 2000年4月までは地元の広島において経営的視点でシステムを提案・構築し、お客様より想定以上にコスト削減できた、業務が改善できたとお褒め、感謝状を頂くことがありましたので、PMの育成やプロジェクトの監理ではなく、直接、お客様のシステム構築に携われる仕事、できれば社会貢献に直接つながるような仕事をしたいと考えるようになりました。このような時に、ポイント取得を目的で参加したITCAの自治体スクールがきっかけで自治体システムに興味を持ちました。この自治体システムに携わる事で「社会に貢献できる」兎に角どんな形であれ携われるように挑戦する事にしました。

 

 思いとは違って現状はなかなか厳しい状況でした。希望に一致する案件を探すのも苦労しましたが、今まで一度も不採用になったことはなかったのに、書類選考、面談で不採用、やっと三つ目の自治体で採用されました。会社へは事前に退職願いを出していましたから、自治体以外にも応募し、同時にITコーディネータ協会主催の創業スクールでの学びを参考に起業も進めました。不採用の原因は、相手の問いに的確に回答できなった点でした。なぜ的確に回答できなかったと原因を究明しました。

 

 独立しようと考えておられる方は、家族の理解を得ることは言うまでもありませんが、定年までに十分準備をして臨まれた方が良いでしょう、私のようなハラハラドキドキは如何なものでしょうか。これはこれで面白いかもしれません。

■これから携わりたい事

共同アウトソーシング(福祉・子育て)とガバナンスIT

 

 自治体には結構多くのシステムがあります。優秀な職員の皆様が額に汗し作り上げた木目細やかな基幹システムもありますが、大半はパッケージで、多くのカスタマイズとアドオンがなされています。この独自の要件が結構ありますので、全国で数多くの実績あり、GUIやセキュリティの優れたパッケージが採用できないことがあります。まさにITCAの自治体ビジネスで学んだ課題があります。また、最先端の技術サービスを提供するシステムの導入においては、技術的に可能でありながらセキュリティ対策面のシステムコスト面から導入が難しいのが現状の様です。

 

 共同アウトソーシングには、各自治体においてガバナンスITの再確立が必要と思います。ITに携わった方は、ITガバナンスではないかとの疑問を抱かれたかと思いますが、ITはツールなので、ガバナンスITの方がしっくりきます。中国ではガバナンスを「治理」としているようで、これは治水工事で地域全体を俯瞰するところからきているようです。脇道に逸れましたが、ITを活用するには、情報ポリシー、基準・規程を「治理」として見直すことで、共同アウトソーシングの構築・利用へと繋がると考えます。

 

 先端技術を取り入れた共同で利用できるシステムの設計・開発及び運用・保守に携わりたいのです。

■これから

 これまでの経験のまとめとして、「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」を真似て「5分でできる!ガバナンスIT診断シート」を作成する予定です。作成の動機は、コンサル、現状調査を行なった際にシステムリストがなく、誰が利用し、維持費用などを把握されていないケースがあったからです。

 私一人では、知識も経験も不十分でまた得手不得手がありますので、ITコーディネータ協会等で知り合った皆様方のご助言、ご支援を頂き新たなビジネスに繋がっていければ幸いです。

(ITコーディネータ協会 機関誌「架け橋」22号「独立のキーポイント」より)


ITコーディネータ 西藤 憲二

 

某区役所IT専門支援員

卸売・小売業及びITガバナンスを得意分野とするITコーディネータ。

IT提供する企業、利用する企業の双方でIT経験を持ち、経営的視点で基幹業務システムの構築・開発。PM及びPMOの育成、品質管理、ISMS導入、J-SOX(IT全般統制)実施。現在、自治体システムを学習中。