スタートは、いつからでも出来る !! ~専業主婦から再就職 ~ そして女性起業家へ

ITコーディネータ 岡崎 理枝子

■専業主婦からの起業

 専業主婦から会社員を経て2010年4月にフリーランスのウェブデザイナーとして起業、2012 年8 月に株式会社オリーズデザインを設立いたしました。起業して7 年目、無我夢中で日々を過ごして参りましたが、この度、機関誌への寄稿というお話を頂き、起業からこれまでの道のりについて、振り返ってみました。

 

 短大を卒業後、家電メーカーに就職、社会人としてのスタートをきりました。その後、結婚のため退職、長男を出産。専業主婦として夫の転勤に伴い鳴門市・松山市・徳島市に約13年間住んでいました。35 歳の時に人生の大きな転機が訪れました。夫との突然の死別、残された長男は、小学四年生でした。長男と共に岡山の実家に戻り、再就職をいたしました。両親のサポートは、ありましたが、父親を亡くした長男と少しでも長く過ごす時間を持ちたいと思い、正社員ではなく、残業のない派遣社員として、システム会社で働き始めました。

 

 システム会社では、9年間ウェブデザイナーとして主に官公庁・公共施設・病院・金融関係など比較的、大規模サイトを中心に多くの企業のウェブサイトの構築にあたりました。独学でサイト制作の技術を習得、実務でスキルを磨き続けました。13年間の専業主婦からの再就職は、厳しく、今までの人生で一番辛い時期でしたが、一生懸命、取り組んだウェブ制作の仕事は、とてもやりがいがありました。

 

 官公庁・公共機関のウェブ制作は、ユーザビリティーやアクセシビリティーが、とても重要とされ、完成までは、全力を注ぎますが、制作後のウェブサイトの運用について、あまり重要視は、されていませんでした。そういった中で、「自分が制作したウェブサイトが企業にとってどのくらい、役立っているのだろうか?」ということが常に頭にありました。「自分の作ったウェブサイトがお客様の役に立って欲しい、そのお手伝いがしたい」と思いが日々、強くなり、長男が県外の大学に進学後、100%仕事に打ち込める環境が整ったので、思い切って2010年の4月に起業いたしました。

 

 私なりの志を持って起業をいたしましたが、起業当初は、すぐには、仕事がない日々が続きました。前社からは、フリーランスに仕事を発注することは出来ない状況でしたが、上司の方がお客様を紹介して下さりと何かと気にかけて頂き、当時は大変有り難かったことを思い出します。

 

 起業すると、会社員時代とは、違い、実務以外の業務も当然ながら多くなります。お客様と打ち合わせをして、事務所に戻り、そこからやっとウェブ制作の実務や雑用を行っていると深夜・・・という日々も続きました。

 

 「作業効率化」と「ひとりで完結しない」ことを見直した結果、協業をして下さるビジネスパートナーについて考え始めました。法人化を決めたのも、この頃です。安定した人的リソースを備えて、お客様のご要望にお応えするためには、信頼関係を構築しながら共に成長していけるビジネスパートナー(企業、個人に関わらず)が必要になってきます。現在は、ビジネスパートナーの方たちと協業、連携させて、起業当初、行っていたウェブ制作だけでなく、サイト構築(E コマースも含む)、プログラム開発、紙媒体のデザインからウェブマーケティング・運用コンサルティングまでノンストップで提供が出来るような体制を作っております。

■ウェブ解析士・IT コーディネータとの出会い

 起業後、独学で行っていたウェブ解析とウェブマーケティングの知識を深めようと2012 年一般社団法人ウェブ解析士協会の「ウェブ解析士認定講座」を受講、資格を取得いたしました。初級講座で解析の基本を、上級講座で応用知識に加え、クライアントへの説明・提案スキルを、マスターでは、自らが講師として講義を行う教育スキルを学びました。マスターまで学んだことで、セミナー講師としてのスキルやコンサルティングのスキルも身につけることが出来、セミナー講師としての依頼も頂くようになりました。

 

一般社団法人ウェブ解析士協会 ホームページより(https://www.waca.associates/jp/)
一般社団法人ウェブ解析士協会 ホームページより(https://www.waca.associates/jp/)

 

 2015年1月に「上級ウェブ解析士認定講座」がIT コーディネータ試験の「専門スキル特別認定資格」に認定されたことを記念して「ITCA× WACA 提携記念事例勉強会」が開催され、その際にウェブ解析士マスターとして皆様の前で「地方でのウェブ解析士の取り組み」というお話をさせて頂きました。以前よりITコーディネータの方とお仕事をご一緒させて頂いたこともありITコーディネータには、興味を持っておりましたが、資格取得には、自分に出来るのかと、躊躇しておりました。この提携記念事例勉強会をきっかけに、受験を決意、その夏の研修・試験に申し込み2015年9月にIT コーディネータの資格を取得いたしました。

■ ITコーディネータとして、現在のお仕事

 企業にとって、単にウェブサイトを持つ時代ではなくなってきました。「自社を選んでもらう」ためには、企業のウェブサイトは、他社との差別化をはかり、企業の強み、特徴など経営戦略を落とし込んだコンテンツの掲載、目的を明確にすること、ターゲットユーザーを絞るといった戦略をたてたウェブサイトの制作が必要です。またマルチデバイス対応・ソーシャルメディアの活用など、時代に対応していくことも不可欠です。作ったら終わり、というだけでなく、ウェブサイトの公開後もウェブ解析を使い、効果測定、改善を繰り返すことで、結果の出るウェブサイトの運営が大切になってきます。これらのウェブサイトの制作・運用には、ITコーディネータのケース研修で学んだ経営戦略の考え方がとても役に立っています。

 

 現在は、自社での業務だけではなく、「中小企業基盤整備機構 中国本部経営支援アドバイザー」、「岡山商工会議所嘱託専門指導員」等の専門家として、「どのようにウェブを活用したらよいのかわからない」「売上や問い合わせを増やしたい」などの様々な悩みをお持ちの相談者の方に向けて、より効率的なウェブの活用、運用方法についての支援を行っております。相談者の中には、「IT という言葉が苦手」「何をして良いのかわからない」「そもそもPC が苦手」という方も沢山いらっしゃいます。その方たちに、IT コーディネータとして、わかりやすい言葉で伝え、上手な利活用のお手伝いをしていきたいと思っています。

 

 起業家としては、遅いスタートですが、これからもみなさんの「かけはし」になれればという熱い想いで、活動を行っていきたいと思います。

(ITコーディネータ協会 機関誌「架け橋」22号「独立のキーポイント」より)


ITコーディネータ 岡崎 理枝子

 

株式会社オリーズデザイン 代表取締役/ウェブ制作、ウェブマーケティング、ウェブコンサルタント、セミナー講師/経済産業省推進資格 ITコーディネータ/一般社団法人ウェブ解析士協会認定ウェブ解析士マスター/独立行政法人中小企業基盤整備機構 販路開拓支援アドバイザー/独立行政法人中小企業基盤整備機構 中国本部経営支援アドバイザー/岡山商工会議所 中小企業・地域振興部 嘱託専門指導員/公益財団法人 岡山県産業振興財団 承認専門家/中小企業庁 専門家派遣事業「ミラサポ」専門家/JimdoExpert