コロナ禍、ポストコロナでは、人材を育てていくことが特に重要

− 栃木県宇都宮市・ITコーディネータ 新井祐介氏 −

掲載日:2021年8月25日

※本記事は、ITC協会発行:機関誌「架け橋」29号掲載の特集記事より抜粋・要約したものです。

 該当記事の詳細は、機関誌「架け橋」をご覧ください。

銀行マンからWebデザイナーに 100件以上のWebサイトを担当

ITコーディネータ 新井祐介氏

 新井祐介氏は、栃木県在住のITコーディネータ。現在は宇都宮市にある経営コンサルティング会社「株式会社サクシード」で、執行役員・IT 事業部長として主にIT 関連のコンサルタントとして活動している。

 

 新井氏は、大学卒業後に地元の金融機関に就職した。2年間、銀行マンとして勤務したのちに退職し、Web 制作会社の立ち上げに参画。デザイナーとして4年間在籍し、Web ディレクションやDTPオペレーションを中心に経験を積んだ。

 

 「地場の中小企業向けにホームページを作ることが主な仕事だったのですが、ただ作るだけではなく、ブログを使って販促みたいなことをしたり、EC サイトを作ったりと、付加価値をつけた事業を展開していました。また、会計ソフトを導入するなど、ちょっとしたIT 経営の支援みたいなこともしていました」

財務とWebを支援できる全国的にも珍しい会社

 そんなころに、現在の代表取締役社長である水沼啓幸氏が「サクシード」を2010 年に設立。水沼氏とは銀行時代の先輩・後輩にあたり、サクシードが創業されたときは、新井氏は一緒のオフィスで個人事業主として働くという関係だった。

 

 水沼氏は主に財務のほうで企業をサポートし、新井氏はIT 関係で支援を行い、同じ顧客にITと財務の両方をサポートする仕事も増え、2014年4月より株式会社サクシードに転籍することになる。

 

 それまでは個人事業主だったのでできることも限られていたが、会社組織になってより大きな顧客も担当することになった。そして、課題もそれなりに深くなっていった。

 

 そんなときに新井氏は、IT コーディネータという資格があるのを知った。勉強すれば自分も何とか取得できるのではないかと思い、試験に挑戦したという。

 

 ちょうど商工会のエキスパート派遣にIT コーディネータの資格を持っていればなれることを知り、合格後にすぐに登録。そして、全然縁のない企業でも、商工会からの推薦で接触することができ、徐々に支援の仕事が増えていった。

 

 「栃木県はIT 関連の専門家で、独立系の若い人はあまりいなかったので、IT 関連の相談があれば新井に、という流れができていきました」

 

 「財務とWebを中心としたIT を一緒に支援できる会社は、全国的にも珍しいのではないでしょうか」

「WEB活」の活動を通して地元の支援でも「はく」が

ITコーディネータ 新井祐介氏

 新井氏は、中小企業のWeb 活用を支援する専門家プロジェクト「WEB活」の活動も行っている。WEB 活の専門家は、ITコーディネータの中から特にWeb と経営に関して専門性の高い人材を選抜して構成されている。

 

 「もともと私は正規のIT教育はまったく受けていませんでした。銀行員をやりながら、今でいうダブルワークとしてホームページの仕事も自己流にやっていたのです。自分のやり方が正しいかどうかも分からなかった。この活動に参加することで、知見を高められるだろうと思いました」

 

 WEB 活では無料の相談会やセミナーが開催され、セミナーの講師の仕事は継続的にやっている。セミナーの出席者から個別の相談につながることもあるという。

 

 また、東京商工会議所やITコーディネータ協会でも講師としてセミナーも開催しており、栃木県ではそれが“ はくがつく” ことにもなっているという。

 

 「最近は自治体からの依頼も増えてきて、いい流れになっていると感じています」

「とちぎ経営人財塾」で将来を見据えた経営者の育成を

 「サクシード」では、地元で人材を育てることにも注力しているという。

 

 その取り組みで一番大きいのが「とちぎ経営人財塾」という研修プログラムだ。この研修は「経営人材を栃木県に育てる」という理念のもと、次世代により良い会社を引き継ぐことができる経営者を数多く輩出することを目的として、2015年に開始された。

 

 研修では、環境に左右されることのない不変の経営のあり方、それを実践させる財務、マーケティング、IT、人材育成が体系的に学ぶことができる。

 

 今年度の講座はすべてオンラインになり、実践的な経営の手法や新井氏が講師を担当するIT関連の講座を追加して、受講生のスキルアップを目指しているという。

 

 「今回の研修では“ ポストコロナ”をテーマに、10年、20年先を見据える必要があることを伝えています。特に新しく社長になった人には、コロナ後もその先もずっと続く企業にしてほしいという思いも込めています」

 

 最後にITコーディネータへのアドバイスを、新井氏に聞いてみた。

 

 「ITコーディネータというと、ITの部分だけに寄ってしまいがちです。しかし、特にコロナ禍ではIT化だけでは足りません。まずは経営戦略ありきです。それからブレイクダウンしたところにIT 戦略があると思います。そして、会社全体のITリテラシーを上げていく必要もあります。社長だけが分かっているのではだめです。人材教育の重要さにも目をつけてほしいと思います」

 

 コロナ禍、ポストコロナでは、人材を育てていくことが特に重要だと新井氏は強調する。


ITコーディネータ 新井祐介氏

新井祐介氏

 

株式会社サクシード

執行役員・IT 事業部長

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※本記事の詳細は、ITC協会発行:機関誌「架け橋」29号をご覧ください。