ケース研修オンライン開催レポート

~ ケース研修「オンライン開催」の魅力 ~

レポート: ITCケース研修事務局

(取材日:2020年12月11日)

 昨今の新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、2020年度のケース研修は、従来までの集合開催に加え、「オンライン」でも受講可能なコースを開催しております。

 

 この度、ケース研修をオンラインで取り組まれていらっしゃる実施機関のご担当者、インストラクターの方に、オンライン開催ならではの良さや可能性についてお伺いしました。

 

 今回のインタビューは3名の方にオンラインでご参加いただき、お話をいただいております。

<左から、栗山 治 氏 ・ 木村 玲美 氏>

※ 左から、菅 信嘉 氏(一般社団法人ITC-EXPERT)・土方 千代子氏(I&Iファーム東京)・友成 舞美氏(日経ITCプロジェクト・特定非営利活動法人ITC-METRO)

ケース研修「オンラインならではの良さ」とは!?

● 本日は、お話をお伺いする機会をいただき、誠にありがとうございます。

 最初に今期、ケース研修をオンライン開催してみて、オンラインならではの良さ、メリットなどについてお聞かせいただけますでしょうか。 (ITCケース研修事務局)

 「シンプルですが、やはり、オンライン開催では受講生の方にとって通学の必要がない点、全国どこからでも受講できることは大きなメリットと思います。

 

 また、研修の進め方においても、オンラインだと進行にメリハリがつきやすい良さもあります。講義の時間、議論の時間、発表の時間など区切りをつけて進めていきますので、受講生の方も、きちんと進行を意識して取り組んで頂いております。

 

 集合開催では通常5,6名単位でグループ分けを行っておりますが、オンライン開催では3,4名単位の少人数でのグループ編成をとっており、より深い議論ができるように配慮しています。オンラインでのグループワークセッション(グループごとの議論する時間)は閉じた場でもありますので、より密度の濃い、集中した議論ができる環境となっています。全員が初対面であり、年齢層もバラバラなケースが多いのですが、オンラインではチームとしての一体感も生まれやすいメリットもあると思います。」(友成 氏)

 「確かに、オンライン開催だと研修にも時間的な余裕が出てくるメリットがありますね。

 インストラクター側もカリキュラム進行においてタイムマネジメントがしやすいメリットがあります。

 

 ちなみにオンライン研修は長時間受講していると疲れやすいので、1時間に一度は必ず休憩時間を入れるようにしています。その分、研修時には集中して取り組んで頂けています。

 

 また、私が所属している実施機関では、ケース研修のほか、ITコーディネータ試験対策講座もオンラインで開催しているので、トータルで一貫性のある学習ができるというメリットがあります。

 

 今期は、私の所属する東京の実施機関と、大阪の実施機関と連携してオンラインで開催しているのですが、地域の壁や制約も少なく、むしろ、受講生側、主催者側双方にとって、できることの幅が広がった気がします。」(土方 氏)

「私もお二人のご意見と同じです(笑)。

 

 付け加えるとすれば、オンライン開催では研修プログラムの自由度が高く、創意工夫がしやすいメリットがあると思います。

 

 オンラインでは、インストラクターがどこからでも入ることができるので、例えば、この時間は、当日の担当インストラクターとは別のインストラクターが連携し、受講者に適した事例を紹介するなど、私たちの実施機関では大変好評をいただいています。今まで集合開催では実現できにくかったプログラムを比較的柔軟に組み立てることができます。

 

 また、積極的にグループワークの議論に参画いただくために、必ず受講生の皆様には最初に自己紹介をしていただきます。それぞれの方の志向性などを把握後、グループ分けをし、インストラクター側から研修への取り組み方などをガイドするようにしています。」(菅 氏)

● 従来の集合開催と比較して、工夫された点などについてお伺いしたいと思います。(ITCケース研修事務局)

 「集合開催時と基本的なプログラムの流れは変えていないのですが、今回のオンライン開催では、個人学習の幅を広げています。事前に個人学習にしっかりと取り組むことにより、研修当日には疑問点やディスカッション内容の補完に注力できるようになります。

 

 これにより限られた研修時間で、より密度の濃い、目的に対応した研修とすることができるようになります。」(土方 氏)

 「同じくケース研修の基本的なカリキュラムの流れは変えていないのですが、特にオンライン開催ですとプログラム進行を細かくプランする必要があります。課題などの説明やタイミング、つなげ方などの準備をしっかりとするようにしています。

 

 私の所属機関でも事前学習には力を入れており、受講生間で情報格差が生まれないように工夫をしております。

 

 また、オンラインホワイトボードなどのツールを使い、文字の見やすさ、わかりやすさにも留意するようにしています。」(友成 氏)

● 皆様、オンライン開催の特徴を踏まえ、色々な工夫をされていらっしゃるのですね!

受講生の方がオンラインで研修に参加される際の環境面などで気を付けていらっしゃることはあるのでしょうか?(ITCケース研修事務局)

 「オンラインで受講される方は、主に自宅から参加される方と、セキュリティ制限のある会社から参加される方とに分かれると思いますが、研修時にはそれぞれ受講環境が異なる方が混在する形になります。

 ですので、私の所属機関では、研修に参加いただく前に、必ず受講環境について調査をするようにしています。実際に受講生の方の環境によっては、研修受講に制限が出る可能性もあります。研修参加時に受講生の方にストレスをかけず、スムースに研修に参加いただくためには、事前調査と、それぞれの環境に応じた適切な対応が重要になります。

 

 また、参加いただく方の環境によって、使用可能なツールなども異なってきますので、研修の進め方、やり方についても、主催者側は柔軟な対応が必要になります。グループセッション時の情報共有や共同ワークにおいても、個々の状況に応じ、適したやり方・進め方を選択できるようにガイドさせていただいていております。」(菅 氏)

● ご指摘のように、オンライン開催の場合、環境面での事前確認と対応は重要となりますね。(ITCケース研修事務局)

ケース研修「オンライン開催」の可能性

ケース研修のオンライン開催に関して、今後の展望、可能性についてお聞かせいただけますでしょうか?(ITCケース研修事務局)

 「私の所属機関では、来年度もオンライン開催に取り組んでいく予定なのですが、やはり全国、どこからでも受講でき、従前では物理的に難しかった他地域のインストラクターの方々とのコラボレーションも、今まで以上に積極的に取り組むことが可能と考えています。

 

 集合開催時には、現実的に開催できなかった地域がありますが、このような地域にお住まいの方でもオンラインであれば、他の方と全く同様な条件で受講ができるわけです。

 また、受講日程が合わないケースでも、オンラインであれば、受講できるコースの選択肢が拡がる点もメリットとして挙げられます。

 

 最近では様々な情報共有ツールが出てきているので、それらを有効に活用すれば、個人学習時のフォローアップも更に充実できると思っております。

 学習に積極的に取り組んでいただくためのガイドも充実していきたいですね!」(土方 氏)

 「ITコーディネータに限らず、今後はあらゆる仕事において、ITツールを使ってコミュニケーションを取るシーンは確実に多くなります。

 

 ケース研修では、参加いただく受講生の方々に、疑似的に経営者や発注者などの役割を割り当て、質疑をしていただくことがありますが、その際は、相手に発言を促すスキルが必要になります。

 

 このようなロールプレイを通じて、オンラインでコミュニケーションを取る際の気づきを得られることも多いかと思います。ケース研修での体験が、資格取得後の実務につながり、少しでも活かせるようになっていただけたらと考えています。」(菅 氏)

 「オンライン開催に限らず、今後もより良いケース研修にできるように受講生の方の声、現場での声を反映して常にアップデートするように取り組んでおります。

 

 また、情報交換、横のつながりを期待して受講いただいている方も多くいらっしゃいますので、定期的に情報交換会を開催しているのですが、更に受講生の方同士でのコミュニティを盛り上げていきたいですね!」(友成 氏)

 「私の所属機関でも、ケース研修卒業生が参加する勉強会を運営しています。

 

 現段階は構想になりますが、来年度については、何らかの形で卒業生の方もケース研修に参加いただき、共に学び、一緒に取り組む機会を持てないかと思っています。

 卒業生の方々には、経営者の方やベンダーの方など多様な業界、立場の方がいらっしゃいますので、オンラインでケース研修に参加いただくことにより、更に研修自体の幅が広がるのではないかと思います。」(土方 氏)

 「同じく私の所属機関でも受講生の方の大きな期待として「人脈作り」が挙げられます。

 

 今までも定期的に勉強会を開催していますが、オンライン開催であれば皆様が気軽に集う場も作り易いと思います。今後もケース研修受講後のフォローには力を入れていきたいと考えており、色々と企画していきたいですね!」(菅 氏)

ケース研修受講検討中の方へのメッセージ

● 最後にケース研修受講をご検討中の方に向けて、メッセージをいただけますでしょうか?(ITCケース研修事務局)

 「これからの時代は、間違いなく様々なところでオンライン化が進み、社会構造も大きく変わっていくと思われます。中小企業においては今まさにITによる経営変革が求められている状況であり、ITコーディネータは、この変革を推進する人材です!

 

 この機会に是非、資格取得を目指していただきたいと思います。」(友成 氏)

 「現在はテレワークでお仕事をされていらっしゃる方も多く、時間の使い方も変わってきているかと思いますが、今ある時間を最大限有効に使うためにも、「ケース研修」を取り入れてみては如何でしょうか?

 そうすることにより、きっとご自身のスキルアップ、そして会社への貢献にもつながっていくと思います。

 

 意外かもしれませんが、オンラインでもしっかりとしたコミュニケーション力はつくものです!

 今こそ、今後のご自身にとって強い武器となるスキルを身につける時です!」(土方 氏)

 「皆様、現在のコロナ禍においては、大変な状況であるかと思います。

 

 ただ、この状況を逆にとらえ、ご自宅にいながら学ぶことができるオンライン研修を有意義な学びの機会とお考えいただき、前向きにケース研修受講についてご検討いただければと考えております。

 

 また、ケース研修は、経営者の観点から、ITの利活用について「IT経営推進プロセスガイドライン」に基づき、一通りのことを学びます。IT経営に必要となる骨組み、つまりフレームワークを学ぶことができますので、業種業態に関わらず、今までの経験、知識を体系的に整理できる良い機会となります。

 

 オンライン受講は時間や場所など、受講しやすい形態になっておりますので、この機会にぜひ、ご検討いただければと思います。」(菅 氏)


<取材後記 (ITCケース研修事務局)>

 2020年度から本格的に取り組み始めた「ケース研修オンライン開催」ではありますが、今回お話をいただきました実施機関の皆様を始め、各実施機関はオンラインならではの良さを活かしながらケース研修開催に取り組んでいらっしゃいます。オンライン開催の特徴を踏まえて、受講される方の状況を事前に把握し、進め方や取り組み方、受講後のフォローについても、それぞれで創意工夫をされていることも印象的でした。

 

 最近ITコーディネータ協会においても、コロナ禍の現状、過去にケース研修を集合開催でご受講いただいた方からお話を伺う機会がありました。ケース研修自体の評価は十分にいただいているのですが、オンライン開催については、まだまだ「ならではの良さ」を伝えきれていない面もあり、今回のお話では多くのヒントを得ました。

 

 ビジネスや社会構造が大きく変わろうとするこの転換期においては、まさにITを経営の力とすることができる人材が求められています。ITコーディネータはその中核となる人材であり、ITコーディネータ資格取得のためのケース研修受講はその第一歩になります。

 

 人との非接触が求められる状況が続いておりますが、この状況は逆に「貴重な学びの機会」を得たと捉えることもできます。ケース研修は現在、オンライン形態での受講が可能です。是非この機会にご受講のご検討をいただければ幸いです。


<今回インタビューにご協力頂いた実施機関の方>

菅 信嘉 氏

 

一般社団法人ITC-EXPERT

ケース研修インストラクター


土方 千代子 氏

 

I&Iファーム東京

ケース研修インストラクター


友成 舞美 氏

 

日経ITCプロジェクト・特定非営利活動法人ITC-METRO

ケース研修事務局担当兼インストラクター