ITコーディネータが今こそDX推進を!

レポート: ITCケース研修事務局

(取材日:2020年7月29日)

昨今の新型コロナウィルス禍の中、精力的にIT経営支援活動に取り組んでいらっしゃるITコーディネータの方へ、現在の活動等についてお話を伺う機会を頂きました。

 

木村 玲美 氏は、2002年ITC資格を取得され、その後、現在に至るまで、自らも中小企業支援の会社を経営する傍ら、多くの企業の支援活動に取り組んでいらっしゃいます。また、長年ITコーディネータ育成のためのケース研修インストラクターも担当して頂いております。

 

今回は、木村 氏にオンラインミーティングで、最近の活動状況など、ざっくばらんにお話を頂いております。以下にてインタビュー内容をご紹介いたします。

オンラインで取り組むケース研修

【ITCケース研修事務局】

本日は、お話をお伺いする機会を頂き、誠にありがとうございます。まず、木村さんは現在、オンライン形式で2020年度第1期ケース研修のメインインストラクターとしてご担当頂いておりますが、講義の状況は如何でしょうか?

【木村氏】

最初の研修が今ちょうど始まったばかりです。

現在、コロナ禍の状況下でもあり、今回のケース研修は、すべての受講生の皆様が、オンラインからご参加頂く形で研修を進めておりますが、特に大きな問題もなく進んでいます。

 

研修最初のオリエンテーション時には、まず、受講生の方々には「自らが場を作る」ことを意識して頂けるようにしています。

オンラインに限りませんが、ケース研修では、インストラクターから単に講義を受けるという受け身の立場ではなく、主体性をもち参加頂くことが大変重要です。

今後、ITコーディネータとして活動していくためには、自らが率先して関係者を牽引していく必要があります。ですので、ケース研修受講の時点から、自ら主体的に参加する意識を持っていただくようにしています。

 

オンライン研修の特徴の一つでもありますが、誰もが平等に自分の意見を言えるようなフラットな場にしやすいメリットもあると思います。例えば、集合研修では、どうしても声が大きい人の意見に引きずられるケースもあるのですが、オンラインであると事前ルールとして、一人一人が発表する時間をまめに設けるなどして「均等に意見を言う、他者が話をしている際には、しっかりと話を聞く」といった雰囲気が、比較的作り易いと感じています。

 

また、オンラインでは特に、参加者同士で議論やコミュニケーションを取る際には、必ず名前で呼び合うようにして頂いております。お互いを名前で呼び合うことによって、コミュニケーションの円滑化だけではなく、参加意識を高めることや、全体でも適度な緊張感を生み出すことが可能です。

 

運営進行上のポイントとしては、受講生の集中力を維持させるためにも、各課題のセッションをなるべく短い時間で区切って進めるなどの工夫をしています。また、受講者同士の議論や共同ワークでは、極力それぞれのグループの主体性に任せ、インストラクターは、あえて必要な時だけアドバイスをする程度で行っています。

今がDXを推進するチャンス!

【ITCケース研修事務局】

今回のケース研修ではオンラインの特徴やメリットを活かして進めていらっしゃるのですね!

さて、昨今のコロナ禍の状況では、社会全体が新しい生活様式へシフトしているばかりではなく、実際にビジネス環境も大きく変わっていると思いますが、木村さんご自身の状況は如何でしょうか?

【木村氏】

まず、今はチャンスだと思っています。

コロナ禍の前では、今のようなオンラインで人と人とがつながることが浸透した土壌になかったわけです。ところが今は、多くの人が当たり前のようにオンラインで人とコミュニケーションをとっています。

 

今までコミュニケーションの主軸としていたリアルの場では、例えば、「働くこと」一つとっても、どうしても場所や時間、また、相手の年齢といったことに引きずられることが多かったように思えます。

今回、コロナ禍の状況になり、多くの人がオンラインツールを使わざる得ない状況に変わってきて、場所や時間の概念も変わってきています。地方にいようが首都圏にいようが関係なく、移動などの時間、コストもかからないわけです。

 

私自身に関しても、お客様との共同作業、営業、支援活動のみならず、研修もオンラインでの対応が非常に多くなっています。ただ、今まで主軸としていたリアルと比較して、オンラインでの仕事がやりにくい、不十分だと感じたことはなく、むしろ、今までにない可能性を感じています。

 

劇的に社会環境が変わるこの状況をチャンスととらえることが重要と考えます。従来まで、今一つ進まなかったITでの変革、つまりデジタルトランスフォーメーション(DX)がここで一気に広がると感じており、そこには、大きな可能性が開けてくると思います。

ITコーディネータは鳥の目と魚の目を持つ!

【ITCケース研修事務局】

この状況では、どうしてもマイナス面ばかりに目がいきがちになるのですが、チャンスととらえていくことは大切ですね!

これは、ITコーディネータ全体で考えても、同じようにチャンスと言えるでしょうか?

【木村氏】

もちろんです。

ITコーディネータは、中小企業へのIT経営支援にとどまらず、あらゆるフィールドにおいて、DX推進の中核を担う人材となるでしょう。また、今後さらにその能力を活かして、活躍できるビジネスチャンスも増えてくると考えます。

 

ちなみに、IPAが提唱している「トランスフォーメーションに対応するためのパターン・ランゲージ」はDXへの取り組み方を示していますが、これは、ITコーディネータのバイブルでもある、IT経営推進プロセスガイドラインと親和性が高い内容です。

 

IT経営に関して、IT経営推進プロセスガイドラインは、現場で使え、実践できる具体的な内容を網羅しており、昨今の新型コロナウィルス感染拡大が続くパンデミックな状況下であっても適応できるものです。

IT経営推進プロセスガイドラインをベースとし、全体像を俯瞰しながら、短期的に仮説検証を繰り返し、具体的なアプローチに落とし込むことが重要となります。

 

ITコーディネータは、まさに、このDX推進を牽引する核となる人材だと考えております。

【ITCケース研修事務局】

ありがとうございます。最後に、今後ITコーディネータを目指す方へメッセージをお願いいたします。

【木村氏】

ITコーディネータとしての活動には、例えて言うなら、全体を俯瞰して見ることができる「鳥の目」と、今何が必要なのかを見る「魚の目」を持つことが重要です。

 

話は変わりますが、ケース研修でも受講生の方へは、現状の生の外部環境を自分で調べてくるような課題を出しています。また、自ら調査した外部環境が、何に対して、どういった影響を与えるか仮説を立てて考えるアプローチをとっています。

 

これから、ありとあらゆるところでトランスフォーメーションが起こってくることは確実と思われます。ぜひ、この機会にITコーディネータとしてのスキルを身につけ、この変革に立ち向かう力を身につけて頂きたいと期待しております。

 

このコロナ禍をともに乗り越え、脅威をチャンスに変えていきましょう!

【ITCケース研修事務局】

本日は、ご多忙中に貴重なお話を頂き、有難うございました。


木村 玲美 氏

 

2001年ITコーディネータ資格取得。

リクルート等を経て中小企業支援の会社を経営する傍ら、IT企業や情報システム部門の組織開発、人材養成にも携わる。

経済産業省IT経営教科書策定委員等も歴任ヘルスケア、メンタルヘルス、働き方、防災、スポーツなどの注目領域×ITの利活用(IoT含)が最近の取り組みテーマ。経済産業省のヘルスケア×IoTを競うアイデアソンのでの優勝経験もあり。ビジネスコンテスト審査員も多く、今年度文部科学省次世代アントレプレナー育成事業(EDGE-NEXT)の静岡大学ビジネスコンテストに係わる。