ITコーディネータに聞く!【独立系ITC編】

「ITと経営の専門家」として認知度は高まっています。

東京のITベンダーに勤務後、2007年にITコーディネータ資格を取得し地元北海道でビジネスを開始するため独立。2015年、阿部氏が支援した北海道余市郡の株式会社古垣建設が、経済産業省 「攻めのIT経営中小企業百選」に選出された。

 

…古垣建設の支援をされた経緯から。

 

【阿部】公共事業など地域の建設需要減少が続く中、古垣建設殿は、新規事業として、建築事業の経験を生かし中古建設機械や自社開発建設機械の販売に乗り出そうとされていました。しかし、どう販売していけばいいのか悩んでおられ、相談を受けたのです。

中小企業が最小の営業コストで、最大の効果を期待できるのはインターネット(Web、SNS等)をいかに上手に活用するかということです。そこで、中古、レンタル、特機などニーズに合わせて6つのカテゴリーでサイトを構築し、同時に顧客管理システムを見直して、攻めと守りの両面からIT化を進めました。また、ネットだけではなくリアル、つまり展示会などにも積極的に出展し、「建設会社が作った建機」がいかにニーズに合ったものであるかを実際に来場者に向けてアピールし、ニッチな分野でトップになる戦略を進めました。

 

…ITコーディネータの資格は企業の支援にどう役立っていますか?

 

【阿部】当初、古垣建設殿は私のことをITの専門家と思われていたのですが、私が経営の話に食い込んでいくものだから、次第に経営の根幹について一緒に考えるようになっていきました。まさにこれが、資格取得の際に学んだ「ITコーディネータ・プロセスガイドライン(PGL)」の実践でした。このお陰で、いろいろな判断をする時も常に事業の目的に立ち帰ることができたのでブレませんでした。

それと競合の少ない分野でトップシェアをとれるよう、ブランディングとマーケティングを徹底的に行いました。これもITコーディネータとして経営者の視点で取り組んだことです。

成果としては、建機販売事業が確立し、売上げも期待以上に伸びたこと。また予想以上の効果として、ネットからコンスタントに3、4人の優秀な社員を定期採用できるようになりました。

 

…ITコーディネータ資格を保有していることのメリットとは?

 

【阿部】「IT」と「経営」がわかる専門家としての認知度は確実に高まって来ています。自治体、支援機関などでも「IT」と「経営」に精通している専門家として一目置かれるようになってきました。例えば、札幌市はIT利活用を重点施策分野として、ITコーディネータ等の専門家を活用したIT投資補助金を予算化しており、私たちも市と協力して地元企業の支援を行なっています。

 

…北海道ITコーディネータ協議会会長としての腕の見せ所ですね。

 

【阿部】自治体等と協力して北海道全体の中小企業のIT利活用の底上げをしたい。また、大学生に対してのIT経営の教育や、女性創業者の支援、さらに、ITコーディネータ協会でも取り組んでいるイノベーション人材の育成も積極的に進めて行きたい。

これから地方創生に向けて進める、食、観光、医療、防災等々、すべてITが成功のカギを握っています。そして、北海道には各地域に腕ききのITコーディネータが揃っております。だからこそ、ITコーディネータを上手に使おう!と声を大にして呼びかけているのです。


ブレインズ・ワン 代表取締役 阿部 裕樹氏

 

ITコーディネータ。北海道ITコーディネータ協議会 会長

道都大学経営学部 非常勤講師、ITCインストラクター、抽象機構人材支援アドバイザー、販路開拓アドバイザー、戦略経営ネットワーク協同組合 理事など、多方面で活躍。